2009年12月4日金曜日

帰国のご挨拶とお礼



 神戸大学・中国地質大学合同崗日嘎布山群学術登山隊は11月27日、無事に帰国いたしました。全てが未踏峰であったカンリガルポ山群の6000m峰の一つ、KG-2 (6805m)に世界に先駆けて初登頂するという快挙を達成することができました。この成功はご支援いただいた皆様方の力の結集によるものと隊員一同心より感謝いたします。


 11月27日、関西空港に到着するとテレビ局の取材があり、また、11月30日の神戸大学・学長、福田秀樹先生への報告の折も報道陣の取材を受け、各新聞と地元のテレビニュ-スで報道されました。また、12月5日には東京、高輪プリンスホテルにて日本山岳会の晩餐会が皇太子殿下のご出席を頂いて開催されますが、そのイベントの一つとして今年の海外登山の報告があります。そこでこの初登頂の報告もさせていただきます。


 カンリガルポ山群は20世紀初頭に欧米の探検家やプラントハンタ-によってその存在が知られるようになりましたが、中印国境に近いため永く外国人の入域が認められずに今日に至っております。神戸大学は2002年からこの地域の処女峰登山を試みてきました。2003年には若尼峰(Ruoni 6882m;山脈の最高峰)の登頂を試みましたが悪天候とル-トの極めて危険な状況から登頂断念しておりました。


 この度合同登山を実施した相手の中国地質大学とは1988年に四川省の雀児山に合同で登山隊を派遣、見事に初登頂に成功しました。当時の隊員であった董範 Dong Fan教授がこのたびの中国隊の隊長で、お互いに気心の知れた仲間であり、両校の学生が隊員で、申し分のないチ-ムワ-クで未知の山に挑みました。この登山を通じて若い世代への伝統伝達とより親密な関係構築がこれからの日中友好、登山のみならず学問の分野での両校の協力体制の発展に繋がると思います。


 また、中国地質大学のメンバ-には2人のチベット人学生(徳慶欧珠(Deqing Ouzhu)、次仁旦塔(Ciren Danda))が参加しましたが、見事に二人が初登頂いたしました。チベットの処女峰にチベットの若者が一番に登ったことは誠に賞賛すべきことと思います。彼等はチベット登山学校卒業後に中国地質大学に入学した強者達で8000m峰の登頂経験も持っています。将来は登山ガイドとして活躍する夢を持っています。チベットでの登山の発展はチベット観光の発展にも繋がります。彼らがそのような産業の発展に寄与する日は近いと思います。


彼らに続いて神戸大学側は矢崎雅則と近藤昂一郎が登頂しました。ヒマラヤの未踏峰に挑戦できる登山家がまた生まれたことも嬉しいことです。崗日嘎布山群や北の念青唐古拉山群(Nyainqentanglha Mountains)、そして四川省にまたがる横断山脈を含むヒマラヤの東には未踏の6000m峰が少なくとも300座は存在します。今回の登頂はこの地域の初登頂時代の幕開けといってもよいと思います。若い世代が次なる目標に向かって準備を進めてくれることを願っています。


学術調査では、竹田教授が新種のコウロギを発見するという成果をあげられました。大学らしい学術登山ができたことも喜ばしいことであります。



12月26日 10:0012:00 農学部C101大教室にて報告会(一般公開)を実施いたします。世界初公開の美しい未踏峰の写真や登山隊の活動のビデオなどで登山隊の活動を報告いたします。是非ともご参加ください。なお、報告会の後は祝賀会(こちらは食事代4000円、事前に申し込み願います。E-mail: acku_office@acku.net ) を行います。隊員たちとご歓談いただければと思います。


報告会には中国地質大学から登山隊のメンバ-も多数参加の予定です。このような交流を通じて次の計画が実現することを祈念し、隊長の皆様へのお礼の言葉とさせていただきます。



Blogはこれにて終了させていただきます。KG-2登山情報は引き続き http://acku.net に掲載してゆきますのでそちらをご覧ください。    登山隊隊長 井上 達男


2009年11月29日日曜日

隊員全員帰国

11月27日(金)、無事に山田、山本、矢崎、近藤、石丸の5隊員が
CA161便で帰国しました。
飛行機は20:10の予定が20:45に遅れて到着しました。
平井先生、高田さん、居谷さん、山本奥様、矢崎お母様、甲南山岳会の武田会
長、塩崎様、山形が握手と熱い抱擁で出迎え、遠征の成功と無事帰国を喜び合
いました。
また、関西テレビとサンテレビが撮影・取材に来ていました。
隊員は皆元気ですが、さすがに長旅の疲れが出ており、飛行機が遅れたことも
あって車に分乗して早々に家路につきました。

帰国メンバー5名

関西テレビ取材その1

関西テレビ取材その2

サンテレビ取材

待合い1左は矢崎隊員お母様、右は武田会長

待合い2右から山本隊員奥様と塩崎様





11月22日の平井先生と井上隊長の帰国写真

遅くなりましたが、11月22日の平井先生と井上隊長の帰国の時の写真を
掲載します。
当日、高田さん、居谷さん、井上さんの息子さんご夫婦、山形先生が関空で出迎えました。







2009年11月22日日曜日

中国地質大学学長との会見

11/20 平井先生と中国地質大学の張学長との会見が実施されました。
中国地質大学の登山を学校の特長とする方針などが語られ、両校の今後の
交流の発展を願うとの合意が得られました。





武漢にて


11/18 武漢空港に到着すると大学関係者多数が横断幕や花束で歓迎してくれまし
た。


11/19 16:00-17:15 大学の講堂で100名強の参加者で報告会が開催されました。


登頂者表彰の様子です。





2009年11月17日火曜日

帰国の日程

フライトスケジュールが以下の通り決まりました。
井上隊長は11/22、その他の隊員は11/27に帰国します。

井上隊長
11/18 CA4404 Y ラサ~成都 11:10-12:55
11/18 CA4587 Y 成都~武漢 18:40-20:25
11/22 CA1334 Y 武漢~北京 10:45-12:40
11/22 CA161 Y 北京~関空 16:05-20:10

山田・山本・矢崎・近藤・石丸隊員
11/18 CA4404 Y ラサ~成都 11:10-12:55
11/18 CA4587 Y 成都~武漢 18:40-20:25
11/24 CA1342 Y 武漢~北京 8:05-10:00
11/27 CA161 Y 北京~関空 16:05-20:10

以上です。

2009年11月11日水曜日

KG-2通信 No.19 下山完了

本日11/11 18:00前に、全員下山した旨、
拉古に着いた井上隊長と山田副隊長から電話あり。

今後は携帯が通じるので、いつでも双方から連絡可能。
日本人はけがなど一切なく全員元気、
中国人が1人捻挫しましたが、古傷が再発したとのこと。

今回の合同登山の祝賀会の件、20日の午前中に中国地質大学で式典、
午後にパーティーをするとのこと。
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ご協力、ご心配いただいた皆様、登山活動は本日をもって終了です。
どうもありがとうございました。